第14章 暗部でのお仕事始めました
一頻り感情を吐き出しつつあるソウヤさんに、任務のこともちらっと聞くと、ぽつりぽつりとぼかしつつも話してくれた。
なんでも、岩は外の内部情報を集めてる最中なんだとか。
誰かを暗殺…だとか、機密を…とかっていった任務ではないんだって。
里内の様子や市井で聞こえる情勢を集めることが目的みたい。
そして、ソウヤさん達は一通り見て回って帰るところだったそうな。
「お前のおかげでスッキリしたよ。」
「よかったよかった。里に帰れたらもっといい人探せばいいさ。」
ダメンズじゃなくてね。
「そうだな。今度はもっとよく観て探すよ。」
「そっかぁ、がんばってね。」
私は笑顔で手を振ると、ソウヤさんは微苦笑を浮かべながら一度手を挙げて、応援に来た人に連れて行かれた。
もちろん、テトラさんも一緒に。
「聞けば聞くほどにダメンズでしたね、あの人。」
ソウヤさんに頼り切りのところあるし。
岩隠れも何であの人を諜報員に起用したんだ?ってくらいにはあらゆる面でソウヤさんにカバーされてたっぽい。
「私はあなたの気質に驚いたわ。」
「俺もびっくりしたわ。」
夕顔さんが苦笑しながら、カカシ先生が半ば呆れながら私に答える。
「俺も、まさかここまでとは思いませんでした。」
兄ちゃんも半分遠い目をする。
みんなして何の話してるの?
訳がわからず順々に見回して最後にカカシ先生を見上げる。
何でって、この人が一番的確に答えてくれそうだからさ。
「それだけお前のコミュ力が高いって話し。普通はあんなに心開いてくれないよ?」
「そうかな?」
昔から割と誰でも友達になれるタイプだった。
逆を言えば、みんながみんなフレンドリーだったとも言える。
そう考えると、私みたいなタイプって割と多い気がするんだけど…。
「あんな手があるなんて、私は思いつきもしなかったもの。」
「エニシだからこそ通じた手だとも言えるよね。」
夕顔さんとカカシ先生から褒めてもらっちゃった。
「わ〜い、もっと褒めて〜。」
夕顔さんからのなでなで付き。
今日はいいだわぁ。