第14章 暗部でのお仕事始めました
「じゃさ、ヨリを戻そうって言われたら?」
「それはっ…!」
やっぱりねぇ。目がキラキラしてるし。
「…ねぇ、絶対何かやらかしてフラれた口でしょ。浮気したとか。」
問い詰めたら案の定気まず気に下を向く。
呆れた〜。この人俗に言うダメンズなんじゃないの?
それを見たソウヤさんは、苦い顔をしながら目を眇めてテトラさんを見やった。
私はぽん、とソウヤさんの肩に手を置く。
「お兄さんや、この人やめた方がいいですぜ。浮気癖は死んでも治らないってうちのばあちゃんも言ってやした。」
「お前、ばあちゃんいないだろ。」
兄ちゃんからツッコミが入るけど、ここは丸っとスルーで。
泣きそうなソウヤさんの肩をぽんぽんと叩いて慰める。
「元気だしなって。次、絶対いい人見つかるから。」
すると、ソウヤさんの目からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
「最初…、声をかけられた時は…何言ってんだって、まともに取り合わなかったんだ…。だけど段々、ドジなとことか可愛く思えて…話も面白いし…三ヶ月くらい一緒にいて絆されたっていうか…。」
うん、うん、と私は相槌打ちながら、背中をさする。
「任務もこんなだから…生きて帰れるか分からなかったし…。俺も寂しかったんだよ…。誰かと分かち合いたかったんだよ…。なのに…。」
唇を噛んで俯いてしまうソウヤさん。
「ツラいね…。」
私が言うと堰を切ったように嗚咽を漏らした。