第14章 暗部でのお仕事始めました
もうちょっと近くに…。
って思って近づいたらいきなりクナイが飛んできた。
あっぶな〜。って一息つける筈もなく第二弾。
今度は確実に自分のクナイ引き抜いて叩き落とす。
すると、
「一人逃げた!!」
私が叫ぶと同時に兄ちゃんが逸早く動いた。
それを追う形でカカシ先生が動き、夕顔さんが背中の刀を抜いて私にクナイを投げた奴に斬りかかる。
ガキンっ!と金属のぶつかり合う音と軋むような音が交互に響いている。
見たところ、剣の腕は互角。油断した方が負けるだろうな。
だったら私ができる事は、相手の足を引っ張る事。何ができるかな…。
敵の動きは、ひと所にいなくて動きは激しい。
でも動き自体はある程度の癖がある。
…一、二、三ヶ所。絶対下がるポイントがある。
夕顔さんの攻撃が急所を狙った時かな。体勢を立て直すために戻るみたい。
って事は…。
ボボンっ!と影分身を三体出して地中へ罠を張る。
タイミングを図って…。
ここ!!
私が投げたクナイに気づいた敵方は、それを弾くと同時に罠を張ったポイントまで下がった。
「心中斬首の術!」
「うわっ!!」
影分身が敵方の足を地中に引っ張り、ずぼっと見事に体がハマった。
胸元までしか埋まらなかったけど、その状態で剣を振り回しったって高が知れるというもの。
チャキっと刀を鳴らして、夕顔さんが敵方の首元に切先を突きつける。
「大人しくなさい。」
「……っ。」
敵方はぴたりと動きを止めて武器を手放した。
これは勝負ありっしょ!