第14章 暗部でのお仕事始めました
で、国境まで走って二時間ほどで着いた。
ちょっと息が切れた程度で済んで一安心。
ちなみに、私以外は全員汗一つ流さないという、ね…。
ちくしょう…。
カカシさんが警備班の班長らしき人と何事か話している。
その班はうちの班との引き継ぎが終わったら帰るらしい。
他にも二班くらいあって、警備区域もローテーションになってるっぽい。
少しして、カカシ先生が戻ってきた。
「今から巡回に回ってもらう。そうだな…、男女に分かれて回るか。区域はこことここだ。印はないから大体でいい。終わったらここに戻ってくる事。」
「「「はい。」」」
「散。」
号令で、カカシ先生と兄ちゃんが左側へ行き、私と夕顔さんで左側へ行く。
…真っ暗で何も見えないし。
ここは写輪眼でレッツだゴー。
うん、見やすくなった。
暗視スコープみたいな感じで、エネルギーで読み取れる様になるの。
暗闇で見るとよく見えるんだけど、木々って微量ながらもエネルギーを纏ってるんだよね。だから輪郭が白くくっきり見える。
つまり、人間と同じ様にチャクラがあるって事なのよ。
こう見るとさ、木も生きてるんだなぁって実感する。
そして不思議な事に、たま〜に凄いエネルギー出してる岩とかもあったりするの。
肉眼で見ると何の変哲もないんだよ?あれって一体何なんだろうね。
ま、ともかく。
とりあえずは前半異常なしだね。
後半も…問題なさそう。
あと少しで集合場所だ。
今日は何の炊き出しが出る…か、な…。
…何あれ?
「夕顔さん、夕顔さん。」
目を離さないまま、なるべく小声で話しかけると、木の上で止まってくれた。
私がその横に着いて見上げると、ぴくりと肩が小さく跳ねた。
あ、写輪眼にびっくりした感じ?ごめんちゃい。
って、それよりも、
「あそこに誰かいます。多分二人。」
「え…?」
夕顔さんは私の指さす方向を見るも、困惑気味な表情。
けれど私の方をもう一度見ると、きゅっと口元を結んだ。