第14章 暗部でのお仕事始めました
門の前に着くと一人女の人が待っていた。
同じ灰色のベストに黒のネックシャツとズボンといった忍服に背中には日本刀。
長い髪をそのまま下ろした美人さん。
もしかして、この人も同じ任務かな?
その人に会釈して少し待っていると、カカシ先生もやってきた。
「さて、みんな揃ったな。今日から六日間、境界の警備を担当する。詳しい事は向こうについてから説明する事もあるだろう。ま、大まかに言えば境界の異常の有無を調べる事と罠とかの危険物を取り除く事だ。」
なるほど。
4マンセルで動くのね。
ところで、この人どなたでしょう…?
女の人を見てからカカシさんを見ると苦笑された。
「この人は夕顔だ。」
「よろしく…。」
夕顔さんは戸惑いを浮かべながら、私とカカシさんを見比べた。
あー…、もしかして普通は名乗る事ない、みたいな?
「で、この内心ダダ漏れの子がエニシだ。」
「よろしくお願いします。…って紹介の仕方おかしくないですか?」
「話さなくても会話が成立するのは、世界広しと言えどお前だけだろうね。」
「ひどっ。」
「だったら表情の訓練くらいしなさいよ。」
「…いやー…、それはちょっと…。」
実は兄ちゃんからその手の訓練も受けた。
だけど、どうしても出来ないんだよね…。
キツいし、よく分かんないし…。
「俺がやっても無理だったんで、カカシさん是非仕込んでください。」
横から兄ちゃん参戦。
「って丸投げ!?」
「シスイでも出来ないんじゃ俺でも無理かな。」
「そして匙投げられたし!」
ひっどいわぁ、二人してさ。
「ふふっ。」
夕顔さんが静かに笑ったのが聞こえてそちらを向くと、彼女は、あっといった感じで少し口元を隠した。
「ごめんなさいね。うちはって聞いて気難しい子なのかと思ってたから…。イメージと違って楽しい子なのね。」
夕顔さんって、笑うと美人だわぁ。
笑わなくてもクールビューティーだけど、笑うと大輪の花が咲いたみたいな感じ。
っていうか美人に褒められるって役得〜。
「…今の心境は褒められてラッキー、といったところでしょうね。」
「それも、美人に弱そうね。」
兄ちゃんとカカシ先生が言いたい放題言ってるけど気にしなーい。
はぁ、美人っていいわぁ。