第3章 私が今、出来る事
「今日はクシナさんいるかな♪」
私はスキップしながら校門を出る。
「や〜い!落ちこぼれ!どこ行くんだよ!」
トウキの声が響き渡り、楽しかった気分が一気に萎んだ。
私は顰めっ面をつくり、嫌々振り返る。
「…なんか用?」
お供をニ、三人引き連れたトウキ、いや、ジャイアンが立っていた。
「お前、手裏剣出来ないだろ。俺が教えてやるから第二演習場に来い。」
はあ?
何様だよ、お前。
「嫌だね。私は今日用があるから!」
私は言うが早いか、駆け出した。
こういうのは逃げたもん勝ちだ。
持久走には少し自信がある。
「あ、待て!こら!」
「待てと言われて待つ馬鹿はいないんだよ!」
私は振り返る事なく、繁華街へ猛ダッシュで駆けて行く。
気配を頼りに、十字路を多く通り、曲がり角を利用し撒いて行く。