第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
さて、と…。
トウキ達には何て言おうかな…。
うーん…。
あの様子だと、きっと昇進楽しみにしてるよね…。
なのに、一番興味を示さなかった私が昇進しちゃったってなったら…、怒るかな…?お前ばっかり、ってやっかまれるかな…。
…言うのやだな。
それなりにいい関係を築けてきたのに、ここで一気に瓦解しそう。
…でも。
避けては通れないし。
いつかは分かることだし…。
「ねぇ、兄ちゃん。」
「何だ?」
「この事って、ナナホ先生…担当上忍はもう知ってるのかな?」
「伝書鳥の通達は行くだろうな。」
「そっか…。」
じゃあ、もう知ってるかな。
先生の方から行こうかな。
「…先生の所に行くのか?」
「うん…、せめて挨拶はしなきゃなって…。」
お世話になったしね。
「そうだな…。行ってこい。」
「うん、そうする。」
私は兄ちゃんと別れて犬塚一族の地区に向かった。
犬塚家の地区って、長閑で広々とした場所が多いのよね。
わんちゃんに合わせてるのかな。
「あかまる〜!」
小さい子の声がしてそっちに目を向けると、ナルトくらいの子が仔犬を追いかけて走ってくる。
もうこの頃から顔にペイントするんだ…。
その子の後からお母さんらしき人が見守るようについてくる。
すれ違い様にこんにちは、と会釈すると、その人も同じ様に返してくれた。
「キバ〜!あんまり遠くへ行くんじゃないよ!」
キバ…?
あぁ、あの子か!ヒナタちゃんの班の!
へぇ、お母さんによく似てる。
おっと、見てる場合じゃないわ。
先生の家行かなきゃ。