第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
頭にハテナを飛ばしてると、カカシ先生が話し始めた。
「先の任務完了しました。」
「ご苦労。して、査定はどうじゃった。」
「チームワークは何の問題もなく、本人の資質も申し分ありません。
特にチームの結束力は目を瞠るものがあり、実力だけで言えば不均衡と言えますが、誰の実力に偏るでもなく皆が皆、それぞれに出来る役割をこなし、出来ない時はチーム全体で補っていた、といった印象を受けました。
そして、その体系を自然とエニシが作っていったようです。エニシだからこそ、彼らは同調していったのでしょう。
そして、彼女の実力は中忍の中でも上位に名を連ねても不思議はないくらいには強いと判断します。」
…何で私だけ精査?
兄ちゃんを見ると少し嬉しそうに頷き、その口が"暗部"と動く。
それって…、と私の中で漸く繋がった。
兄ちゃんが打診してくれた暗部入りの査定が今日、だった…?
三代目はカカシ先生の報告に、ふむ…、と思案する。
「では、特別上忍としての待遇を与えても良かろう。皆も異論はないな?」
一人、前にスグルさんの村の件で口論になった人だけが渋い顔をしたけど、何も言うことはなかった。
「では、エニシ。」
「は、はい。」
私が呆然としながら気後れしてると、隣で兄ちゃんが背中を押してくれて、私はそのまま歩を進めてカカシ先生の隣に並んだ。
「明日より、特別上忍の階級を与える。シスイに就かせるので、指示はシスイに仰ぐように。」
「はい。」
「うむ。ではこれで暗部の査定を終了とする。各々戻って良し。」
マジか…。
本当に暗部入り出来るとは思わなかった…。
でも、これで少しは思うように出来るかもしれない。
そう思うと、胸が躍った。