第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「して、今日は何をする?」
何したらいいんだ?
私が勝てそうなお題…
「ここから火影屋敷まで駆けっこで。」
「カカシ先生!?」
私が勝負するんでしょ!?
「おぉ!久々に初心に帰るのもいいな!」
「良くない!」
「位置についてー。」
と先生が言うと反射の様にさっと構えるガイさん。
問答無用か!こんちくしょー!
「よーい…、」
ぐぐぐ、と音が鳴りそうなほどガイさんの足に力が入る。
こえーよ…!
「どん!」
「どんだけ!?」
何であんなスタートダッシュが速いん?
…って!負けてたまるかあぁ!!
いつも以上の速度で屋根を伝って、人通りの少ない道を駆け抜け、林エリアで木々を伝って必死で走るけど全く追いつかない。
こっちは足がもつれそうになるのに、ガイさんは全くその気配なし!
せめて離されてなるものかと必死で追従する。
「おぉ!根性あるな!」
そしてまだ尚余裕がおありですか!
化け物か!!
兄ちゃんの全力より早いぞ、この人!
そして虚しくも、火影屋敷が見えた矢先に更に引き剥がされる。
「よし勝ったぞ〜!」
「こんなの勝てるかこなくそ〜!!」
そしていつ来たんだか、カカシ先生は既にいつもの格好に戻ってスタンバイしてました!
「こらこら、こんな所でジタバタと踏み鳴らすんじゃないの。」
「踏み鳴らしたくもなるわー!!」
ただいま、火影屋敷の屋根の上。
でもそんなの関係ねー!!
「まぁまぁそう悔しがるな、少女よ。俺に齧りつける子はそうそういないぞ。」
「話がズレてる!そもそもの前提が違う!」
私は勝負をしたかったんじゃないの!
「鍛錬すればいつかは追いつける!はっはっはっ!」
「そして噛み合わない!!」
もう、がっくりと。
そりゃもうぐったりと!
膝から崩れ落ちました…。