第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「何で私だけなんですか?」
「行けば分かるよ。」
「そら行ったら分かるでしょうよ。でも行ってからじゃ遅いんです。その前に知りたいんです。」
「ま、あとのお楽しみってことで。」
「だからっ、そんなお楽しみいらないんですって!」
あれから、首根っこの代わりに手をしっかり握られてドナドナ状態の私。
やっぱり逃げられなくて、ぶーたれながらあれやこれやと聞き出そうとするも、のらりくらりと躱されて癇癪起こす寸前の今ココ。
「まぁ、落ち着きなよ。悪いようにはしないって。」
「信用できるかっ!」
「あっそう。」
何を言っても、暖簾に腕押し、豆腐に鎹、糠に釘!
きぃぃぃ〜!!!
このジレンマを私はどうすればいいの!?
その時、子犬がトコトコと近づいてきた。
ブルドッグでマントっぽい服を着て額当て。
お顔が渋い分、貫禄がある様な?
…小っさいからそうでもないか。
その犬は私達の前まで来ると歩みの速度を緩めてスケアさんを見上げる。
「…今日は随分妙なのを連れてるな。」
喋ったし…。
え、まさかの忍犬?
…あれ待って!?ブルドッグの忍犬と言えば…
「まさか、パックン!?」
私の言葉に、二人が驚きながら同時にこちらを見る。
「お主、何故わしの名を知っとるんじゃ?」
「やっぱり!じゃあスケアさんって実はカカシ先生!?」
するっと手を離そうとするから逆にぎゅっと握り返す。
「いーや人違いだよ。だってほら、俺犬塚家だし。」
にっこり笑うんだけど、ぜんぜん嘘くさいから!その顔!
まさかその姿変化してる?
いや、特有の輪郭のぶれがないし。
あるとすれば左目にチャクラが多く集まってる。
絶対コンタクトかなんかで隠してる!
つまりは変化はない!
頭もカツラ、顔もペイント!
「こらこら町中で写輪眼を出すんじゃないの。」
「じゃあ、素顔見せてください!」
「やだね。」
「お願いします!一回だけでいいから!」
私が顔に手を伸ばすとパシッと払われる。
なんの!めげるもんですか!