第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「まず第一に、こいつは相手の力量を読めていない。写輪眼の何たるかも分っちゃいない。」
うん、それは思う。
「第二に、そんな小物を幹部に据える程なんだから頭目の実力も知れるってものだ。そんな奴が写輪眼なんぞ移植したところで文字通り腐り落ちるだけさ。宝の持ち腐れとはよく言ったものだな。」
うーん…。
「そうかなぁ…。」
ただのお馬鹿さんだったって事でしょ?
本当かな?
「ま、生け捕りにして引き渡せば、あとはその道のスペシャリストが聞き出してくれるでしょ。」
まぁ、そう言うなら…。
って待てよ?
「それ、私結局その結果聞けないじゃないですか。」
「大丈夫だよ。そこは俺が聞いといてやるから。」
「…約束ですよ?」
反故になんかしたら絶対許さないんだから。
睨んでるのに、何故か笑みを深くするスケアさん。
そして、これまた何でかくしゃくしゃと頭を撫でられた。
うが〜!
乙女の髪を乱すんじゃない!
私はスケアさんの腕からするっと降りて逃げを打つ。
…あれ?
この人、結局私の話を否定しなかった…。
その時、都合よく風が吹いて霧が晴れて見通しが良くなる。
一、ニ、…よし、全員確保。
ノルマクリア〜!
「さて…。じゃ、そろそろ纏めますかね。」
スケアさんに倣い、私達はならず者達を纏めていった。