第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「ま、待て…!」
待てるかっつの!
「待って…っぐ…!」
男の動きが目に見えて鈍くなった。
岩で作った拘束具を嵌め込んで、手足と首の自由を奪ってから地面に仰向けに転がして起爆札付きのクナイを顔に突きつけた。
「誰よ?誰に私の眼をやろうとしたの?」
「お、俺達を統括している人だ。」
「名前は?」
「し、知らない…!」
「嘘言わないでよ。信じられないし。」
「ほ、本当に知らないんだ…!」
「風貌は?面識あるんでしょ?」
「し、知らない…!」
こいつ、相手が子供だからってナメてる。
「痛い目にあうのがお望みなら喜んで叶えてあげる。」
私がクナイを振り上げるとパシッと手を掴まれた。
「それ以上はダメだ。それはお前の仕事じゃない。」
スケアさんだ。
私は男を見据えたまま声で判断する。
「こいつ私の眼を誰かにやるつもりだって言ってた。私当事者なんだから聞き出したっていいんじゃないですか?」
「知らないって言ったんだろ?」
「嘘ついてるんでしょ。真に受けるわけない。」
「…何で拘る?」
「…九尾事件の手掛かりに繋がるかもしれないから。」
思わず尻すぼみになった。
だって、この人は兄ちゃんとは違う。
兄ちゃんは信じくれるし、イタチは受け止めてくれるけど、この人は里の人。
きっと、そんなわけないって…、うちはが犯人だって公然と言うかもしれない。
「そうか…。」
??
そうかって…それだけ?
思わず上を見上げた。
「おっと、写輪眼が引っ込んだな。」
と言って、ひょいっと抱き上げられる。
「…あれ?」
あっという間に引き剥がされた。
片手で抱っこ状態でこの安定感…。
「ま、お前の早とちりだな。こいつはそんな大物には繋がっていない。」
何でそんな事言えるのさ。
ムッとすると、スケアさんは少し笑った。