第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
トウキ達も程なくして勝ったらしい。
ならず者達の呻き声が聞こえるだけで、彼らの声はしない。
そっちは大丈夫だな。
さて、スケアさんの様子はどうか。
チャクラの様子を探りつつ近づいていくと、リーダー格の男のチャクラが弱い。
相当参ってるんじゃないかな。
っていうか、何でスケアさんはいつまでも相手してるんだろうね?
だって上忍でしょ?
うちらみたいなひよっこだったら苦戦するのも分かるんだけど…。
あれ、なんかスケアさんの輪郭がダブって見える様な。
特に左目の辺りが…?
霧が邪魔でよく見えないな。
もうちょっと近くに、と思って近づいていったら、突然スケアさんのチャクラがすっと消えた。
???
どういう…?
きょろきょろと見回してたら、男に気づかれたらしい。
子分たちとは一回り違う速さと正確さでクナイを振り下ろしてきた。
…危ない危ない。
油断してたら斬られるところだった。
「よく避けたな。」
次はどうだ、と言わんばかりに次々と忍組手を仕掛けられる。
…そんなに追いつけない程じゃなかった。
これだったら兄ちゃんの方が強いんじゃない?
「怖くて手も出ないか。」
いや、違いますけれども。
スケアさんいないし、もうやっちゃおうか…?
「その写輪眼は飾りか?ならば遠慮なく貰うか。」
「は…?」
貰うって…貰ってどうしようってのよ。
「あの方はさぞお喜びになるだろう。」
一瞬言われた意味が分からなかった。
誰かが喜ぶ…?
それもしかして…オビト…?
目玉なんて持ってたって宝の持ち腐れだもん。
同じ一族だから使い熟せるの。
カカシ先生は例外だけどね。
「な、何だ!?」
無我夢中で攻撃を仕掛けた。
オビトの手がかりに繋がると思ったら絶対逃せない。
絶対情報を吐かせる。
「……っ!」
男が息を呑んだ。
「その技…、瞬身の…シスイ…?」
呆然としてる隙に間合いを詰めて吹っ飛ばした。
手加減もできないけど殺すこともできない。
匙加減が難しければ手数を増やすしかないかも。
気を抜けない。