第3章 私が今、出来る事
クシナは買い物から帰ると、ポストを確認する。
「…あら?」
見ると、そこには一通の手紙が入っていた。
消印は無い。
だが、幼い子が書いたと分かる少し歪な、だけど丁寧に書かれた字面が並んでいる。
「”九尾さんに渡してください”?」
何だろう、と思いながらも、それを持って家に入る。
買い物袋をテーブルの上に置くと、椅子に座って封を開ける。
“クラマさんへ
突然のお手紙で驚かれるかと思いますが、どうか聞いてください。
私はクラマさんの物語を知っています。
あなたが憎しみを抱えて、狭い中に閉じ込められて、人に不信の念を抱いているのも知っています。
けれど、ナルトは違います。
ナルトはあなたに寄り添おうとするでしょう。
その時は、今までの思い込みを捨て、歩み寄ってください。
そして、これからナルトに襲いかかる数々の困難に、手を貸してください。
そして、願わくば、ミナトさんやクシナさんを守ってほしいです。
私の願いを叶えてください。
お願いします。
あなたの未来を知る者より”
「どういう事だってばね…?」
筆跡からして、幼い子と分かる。
幼い子に覚えがあるとすればエニシしかいない。
それに、”九尾”ではなく”クラマさん”とある。
九尾に名前があるのか、それともあだ名として書いたのか…。