第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
イタチは絡まった糸が解れる様に、色々な疑問が解けた様に感じた。
エニシの言葉の裏に隠れた道筋。
時々は垣間見れるものの、それはイタチに辿れるものではなかった。
シスイは知っているのだろうとは薄々思っていた。
彼はエニシの兄であり、良き理解者である。
ならば、エニシの見据える道筋を知っていても不思議ではない。
少しばかりそれを寂しく思ってはいたが、彼らの間に入っていけるものでもなかった。
だが、今日はついそれを問いただしてしまった。
カカシの名前が出たからだ。
エニシの心をカカシが占めているのでは…、と思うと聞かずにはいられなかった。
そこからは、なし崩しに今までの疑問が次々と吹き出した。
食事処で言っていた様に、カカシへの恋慕は見受けられなかったが、問いただしているうちに、エニシの見ている世界が純粋に知りたくなった。
シスイも知っているエニシの世界を自身も知りたいと望んでいた。
エニシが語ったものは、想像を超える話で、エニシでなければ荒唐無稽だと相手にしなかっただろう。
けれど、信憑性がある話でもあった。
特に、うちはの全滅には驚かされたが、得心のいくものでもあった。