第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「なんて話をしてるんだ、お前達は。」
兄ちゃんの声がして上を見上げると、木の枝にいつの間にかしゃがんでいる。
「俺が結界を張ったから少しは声が遮断出来てると思うが、それにしたって不用心だぞ。」
「おかえり。早かったね、もう少し遅くなると思ってた。」
私は苦笑しながら兄ちゃんを見上げる。
確かにこういう話はここでする事じゃないね。
「イタチには全部話したのか。」
兄ちゃんは飛び降りると私の傍まで寄る。
「まあ、ね…。話したってよりもバレたって感じかな。」
「それも全部は話してないらしいな。」
イタチはまだ追撃の手を緩めていなかった。
「な、んで?そう思うの?」
「…馬鹿だろ。全部顔に出てるじゃないか。」
兄ちゃんから突っ込まれて、撃沈した。
もう、やだ〜…。
「あとは何が聞きたいの?」
しょぼくれながら聞き返すと、イタチは少し戸惑う様に瞳を彷徨わせた。
「サスケは…、どうしてるんだ?」
今日一番戸惑う問いだった。
「サスケは…、元気にしてたと、思う。」
班で過ごす時はちょっと気難しい普通の子だった。
イタチを恨んでる以外は…。
「班で下忍の任務をして、カカシ先生が修行をつけてくれて、普通に過ごしてた。」
本当は、里の中で強くなっていけたら良かったんだけど。
大蛇丸に目をつけられちゃうからなぁ。
それも最後には良い方に傾くんだけどね。