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もう一度、を叶えるために。first

第13章 変わりゆく日常と濃くなる影




「何やってんだ、お前ら。」

びくぅっ!と思わず肩が跳ねた。
ばっと後ろを振り向くと、そこにさっき別れたはずのトウキが立っている。

「…な、んで、いるの?」

片言チックになったけど気にしない気にしない。
それより、まだ心臓がバクバクだよ。
何だか不機嫌そうに見えるけど、私なんかしたっけ?

「…なんだ。お前らデキてんのか?」

な、何だって…?

「出来るって…何を…?」

何を突然言い出したんだ、コイツは。

「だ〜か〜ら〜!付き合ってんのかって聞いてんだよ!」

……。

「はあぁぁ〜…。」

お年頃なのは分かるよ?
もうすぐ思春期に片足突っ込む時期だよね。
そういうのにも興味津々になるよね。
でもさー…。

「な、何だよ。」

「短絡的すぎやしないかい?トウキ君よ。」

「てめぇに言われたくはねぇわ!」

そっくりそのまま返すわ。
はあ〜…。

「逆に何をどうしたらそんな発想が出てくるのさ。」

聞かなくても大体分かるけどね。
そんな質問をした途端、噛み付いてきたトウキはたじたじと焦り出す。

「何を、って…、そりゃあ…。」

「年頃の男女がそこにいるってだけでみんなカップル〜なんてあるわけないじゃん。」

そんなん言ってたらどんだけの人がカップル認定されんのよ。まったく。

「で、どうしたのよ?こんな所まで。」

用があったから来たんでしょうけど。

「…これ、忘れ物だぞ。」

ムスッとした顔で差し出されたのは、昼間使った巻物だった。

「あ、ごめんごめん。すっかり忘れてた。」

良かった。
私のコレクションズ。
九尾事件後から、お気に入りの物はこの巻物に入れる様になった。
例の日記も含めてね。

「ありがとう、おまわりさん。」

「誰がおまわりさんだコラ。」

「まぁ、そう怒るなって。」

「いいのか?そんなこと言って。」

「何言っ、ちょっと…!」

折角戻ってきた巻物をひょいっと持ち上げられて高く掲げられた。

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