第13章 変わりゆく日常と濃くなる影
「火が燃えるには、燃やすものと酸素が必要なわけだ。燃えたら酸素はなくなる。」
「そうだな。」
「で、今枯れ草が燃えてるのは、枯れ草の周りに酸素がいっぱいあるから。だけど、両側から火と火がぶつかるとどうなる?」
「…あぁ、そういうことか。」
ユウも飲み込めたみたい。
で、トウキがふと疑問点を挙げた。
「でも、風下から火をつけても風下に流れるからぶつからないんじゃないか?」
「私もそこは心配ではあるんだけど、大丈夫だと思うんだよね。」
テレビでは、上手く火が付いて火が火を相殺していたし。
「…本当に大丈夫なのか?」
「うーん、風下側は端から付けないで、ちょっと中側から付けてみようよ。そしたら外側に燃え広がってきても途中で止めやすくなるんじゃないかな。」
「とりあえず、風下には多めに水撒いとこうぜ。」
ユウの言葉に私達も頷く。
「そうだね、そうしとこう。」