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もう一度、を叶えるために。first

第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…




さすが虎と言うべきか。(やっと思い出した)
大きい体躯の割に素早い。
小回りは聞かないけど、一歩が力強い。
二十分も経たない内に猫じゃらしは既に半壊に近い。

「ミケ!こっちだよ!」

呼ぶと楽しそうに追いかけてくる。
時々分身でダミーを作っておくと、モグラ叩きよろしく潰しにかかる。

分身の術って、攻撃が加われば影分身と同様消えるのね。
で、それを初めて潰した時の二人の様子は面白かったんだよ。
何でそれが消えたのか理解できなくて、呆然としながら私達の方と消えた分身を見比べてて。めっちゃ可愛かった。
イタチも面白かったのか、珍しく声を出して笑ってた。

で、慣れると面白さが分かった様で、モグラ叩きみたいにして遊び始めたの。
匂いでわかるのか何なのか、本体には攻撃してこないのよね。二人とも賢いわ。

イタチはというと、猫じゃらしを絶妙な匙加減でけしかけたり、タマのタックルを変わり身の術で受け止めたりと楽しんでるみたい。
体躯がデカいから、じゃれつかれても生身じゃ受けきれない。
その点、変わり身の術だったら丸太だからね。
タマにも手応えがあってモチベーションアップ。
丸太に変わったと分かるや否や、本気モードで両手両足蹴りと噛みつきが入る。
ほんと、イタチって頭いい。

…なんて、他所ごと考えてたのが悪かったのよね…。

「ふぎゃっ!?」

突然の衝撃が横から入り、

「わっ…!?」

こちらに背を向けていたイタチに突撃してしまう。

一瞬前後不覚になったけど、なんとか受け身は取れたらしい。
痛みらしい痛みはなかった。
そう、なかったのだ。

「いたた…。」

その声に、そろりと薄めを開けると目の前にイタチの首元が…。

「…っ!?」

驚きに目を瞠り、漸く状況を呑み込んだ。
私ってば咄嗟にイタチに抱きついてたらしい。
そしてたぶんイタチは私を庇って抱き込んで、そのまま檻にぶつかったとみる。
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