第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「っ……!!?」
あれっ…!?
私何してたっけ…!?
急に眠くなって、何も考えられなくなって…。
それから…、それから…!
うそ、どうしよう…!?
何にも覚えてないよっ!?
しかもここどこ!?
いつの間に外に出たの!?
……。
いい天気だし、風は気持ちいいし、木陰は綺麗だし…。
まさか、これが噂に聞く幻術だったりする…?
だってさ、体が思う様に動かないの。重いし。
さっきから、起き上がろうと頑張ってるんだけど全く反応なし。
手も足も意思とは全く違う動きをする。
「ああー!」
ん?
「あうあー!」
助けて〜、って言ったつもりだった。
その前は誰か〜、だった。
遂に言葉までままならなくなったのか…?
絶望的じゃね?
「エニシ!」
にょきっ、といきなり小さい子が覗き込んできて、めちゃくちゃ体が跳ねた。
心臓止まるくらいびっくりしたわ。
見た目五歳か六歳か。
でも、この子見覚えあるんだよね…。
誰だったかな…。
「シスイ!エニシをいじめたらダメよ?」
遠くでお母さんの声がする。
声の方に少し目をやると、覗き込んでいた子も同じ方を向いた。
「はあ〜い、分かってる!」
え??
何故君が返事をする?
「エニシ、ほら!ガラガラだぞ。新しいの買ってきたんだ。」
そう言って、うすピンクのおもちゃをガラガラと鳴らす。
……。
いやいやいや。
何でやねん。
私、赤ちゃんとちゃうわ!
と思ったのに、体が勝手に反応してそのおもちゃに手を伸ばす。
そして、その手はまごう事なき赤ちゃんの手。
呆然と見ていると、しっかりとそれを握って辿々しく振り始める私。
どーなってるのおぉー!!?