第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「まさか、ここに閉じ込められるんじゃ…。」
アオバさんの力ない言葉に、ぞくっと背筋に震えが走る。
そんな事になったら…。
こんな所で…。
「馬鹿なこと言わないでよ!そうなる前に出口を探すわよ!」
アンコさんの大声に思わず肩が飛び跳ねた。
「待て!闇雲に動いたってはぐれるだけだ!ここの規模も位置も分からないんだぞ!」
「だからってこんな訳のわからない所でじっとしてるよりマシよ!」
「周りをよく見ろ!!闇雲に探しに行ける状態じゃないだろ!!」
「だったらどうするのよ!?ただ手をこまねいて見てろって言うの!?」
「待って待ってストーップっ!!」
ライドウさんアンコさんアオバさんが、代わる代わる言い合ってヒートアップしていくのを見てらんなくて、思わず待ったをかけた。
そしたら、ギロって三人に睨まれてしまう。
「だって、そのまま言い合ってたら取っ組み合いの喧嘩しそうなんだもん。」
困り切って答えたら、逆に困らせたらしい。
三人の上がった眉尻がゆっくり下がっていく。
ふと横を向くと、すぐ側に兄ちゃんとイタチも佇んでいた。
「とにかく、あーだこーだ言ったってしょうがないし。薔薇もあと少しで消えちゃうし。場所も場所だから、動くんならみんなで動きましょうよ。」
「そうですね。俺も闇雲に動くよりは固まって動くほうがいいと思います。」
イタチも兄ちゃんの言葉に頷く。
「出口がないとは限らない。地道に探しましょう。」
後輩三人の言葉に、先輩三人は少し肩を落としながら同意を示す。
「何だか、先輩としての役目を取られた気分だわ。」
「お前ら妙に落ち着いてるな。」
「俺らが恥ずかしくなるぜ。」
アンコさんアオバさんが少ししょぼくれる中、ライドウさんは頭を掻きながら苦笑する。
私は兄ちゃん達をちらっと見て肩をすくめた。
「今の心理はあれですよ。自分がパニックの時に大パニックの人を見ると逆に落ち着くってやつです。」
にっと笑って見せると、何故か先輩三人の目が据わり始める。
あれっ?と思っていると一斉に襲いかかってきた。
「「「一言余計だよ!!」」」
痛い痛い!しぬしぬっ!!
あぁ、口は災いの元…。