第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
説明するのも飽きそうな程、さっきと全く同じ部屋。
ドーム型で、天井と床に方陣があって、明るい。
で、今度は何が描いてあるのかしら。
床を隅から隅へ隈なく見ていくと、今度は”EARTH”の文字が。土遁だね。
他には…、”WAVE”。波だね。
“CALM”…?なんだっけ、これ。
「土の波?土波の術?」
「地面を揺らせばいいの?」
アンコさんが私の呟きを拾って、印を組んで地面に手を当てるけど、僅かに揺れた様な感覚しかない。
ぷぷー、アンコさんたら気が早いわあ。
「違うみたいですね。」
「あんたが言ったんでしょうが。」
スパンと軽く頭をはたかれた。
「さーせん。」
波…、波ねぇ…。
土の波…。
ぼーっと天井を眺めてると、段々と違う形が見えてきた。
「んん〜…?」
トリックアートみたいに別の何かが見えそうで見えない。
私は方陣の中央に来ると、そのまま寝転んでみる。
「何してんの?」
アンコさんが覗き込んできたから、隣をぱんぱんと叩く。
「何かが見えそうなんです。」
「何が?」
「こっちこっち。アンコさんも一緒に探してくださいよ。」
アンコさんは首を傾げながらも私の隣に一緒になって寝転んだ。
「何か違う絵が見えてきませんか?」
びっしりと白っぽい線が走る方陣の中に違う絵が隠れてる様な気がするの。
「ああ〜。薔薇じゃない?これ。」
「薔薇…?」
「そう、ここの線とかここの線を繋げてみて、こういう線を探して俯瞰してみると、」
「あ〜!!分かった!見えた!!」
確かに薔薇だ。