第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
図柄を隅々まで見ていくと、
「あった。」
“WATER”の文字を発見!
「水の単語があります。あとは…。」
“FLOW”を見つけた。
「何だっけ、これ…。」
Flower…は花だったよね。
…いや待てよ?
フローチャートって言葉があったよね。
確か、見取り図…。
いやいや違う、流れ図だ。
ってことは…。
「…流れだ。…水の流れ。」
私は水遁の印を組もうと思って、最初の印の形にしたところで、
「まだ待て。」
兄ちゃんから待ったがかかった。
「試したいことがある。エニシ、土遁の印を組んでみろ。」
「土遁?何で?」
だって、水って描いてあるよ?
「いいから。」
うーん、何を試したいんだろう?
「…何でもいい?」
「あぁ、何でもいい。」
それを聞いて、土流壁にしようとしゃがみ込む。
次いで、印を組んで床に手をついた。
「土遁、土流壁。あ、あれ…?」
印を間違った…?
いやいや、そんな初歩的ミスはしない。
「やっぱりな。」
兄ちゃんの言葉に彼を向くと、頷きが返ってきた。
ってことは、私には落ち度が無かったってこと。
「つまり、制約がかかってるんでしょう。この術式により、使える技は限られていると思われます。」
「つまり、この方陣に書かれているのは水、つまり水遁の術以外は使えない様に制約されてる?」
アオバさんが聞き返した。
「おそらくは。イタチ、水遁頼めるか?」
「あぁ。」
イタチは応えると、図柄…方陣の方へ歩き出し、私は場所を譲る為に方陣の外へ出た。
イタチは中央までくると、そこで止まり印を組む。
「水遁、水牢の術。」
イタチは私の半分ほどの大きさの水球を出して手に乗せる。
けれど、方陣に反応はない。