第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
消えた扉の先にはドーム型の広間があった。
広さは…、十六畳以上はあるんじゃないかな。
結構広いのよ。
プラネタリウムを流したら綺麗に映りそう。
で、ここにもさっきと似た様な円形の綺麗な図柄が天井と床に描かれている。
さっきのと違いはよく分からない。
これってさ、もしかして本当に魔法陣だったりして。
そうだとしたら、解読出来ればさくさく進められちゃったりして。
なんて思いながら上を眺めてたら、知ってる単語が目に飛び込んできた。
「“FIRE”…?」
「え?」
アンコさんが反応したけど、私はそれどころじゃなかった。
だって、FIREって火って意味だったよね。
んじゃ下は?と思って見てみたら、やっぱり
”FIRE”の文字が図柄に入っていた。
火って何?火炎放射とかすればいいの?
他の手がかりはないかとよくよく見直すと、今度は“ROUND”の文字を見つけた。
「ってことは、丸い火が必要ってことだ!」
「何でそう思うのよ。」
側で見ていたアンコさんが怪訝な顔をしながら聞いてきた。
「”FIRE”は火って意味で、”ROUND”はたぶん丸いものって意味です。だから、丸い火が必要。つまり一番確実なのが豪火球!」
私はその場で印を組むと、小さめの豪火球を出した。
天井と床の魔法陣の間に立ってたのが良かったのか、図柄が反応を示し、淡く橙色に発光し始める。
次いで、一番奥からふわっと風が上がった。
見ると、一部床がぽっかり無くなって階段が現れていた。
「あったり〜!」
私はガッツポーズでぴょんっと飛び跳ねた。
「ちょっと、何で分かったのよ!ここに書いてある文字を何で読めるのよ!?」
すると、アンコさんが突然飛びついてきて、そのままガクガクと肩を揺すられた。
それで漸く私は、しくったことを自覚する。
これって前世の知識じゃんね。
どうしよう、タブーだったわ…。