第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
早速、みんなで扉の前に立ってみた。
扉には円形の綺麗な図柄が薄く描かれていて、扉の境目でシンメトリーになっている。
扉自体がゴツゴツした肌触りだから、近づいてみないと全然分かんなかった。
丁度目線の下の辺りに、半球状の窪みが横一列に等間隔で並んでいる。
「この前の時は、左右に窪みに拳を入れたら開いたんだよな。」
「そうだな…。だが、今日は左右に三つずつ窪みがある。」
「封印の形が変わるなんてあり得るの?」
ライドウさんアオバさんアンコさんが、顔を引き攣らせてそれを眺める。
つまり?
「この前は窪みが二つで、今日は六つ?」
私は写輪眼に切り替えてしげしげと見る。
「罠ってわけでもなさそうだな。イタチはどうだ?」
「俺も同意見だ。」
イタチがこちらを見たので、私も同意する様に頷く。
「とりあえず、手始めに影分身で試してみよう。」
私は、ボボンっ、と三体出すと手をぐーにして窪みに嵌め込んだ。
その結果…、
「…え?」
ボボボンっと三体ともあっちゅーまに消えてしまう。
いや、ちょっと違うな。
術を解除させられたって感覚。
分身の類って自分で術の出し入れが簡単にコントロール出来るところがあって、致命傷でも負わない限り強制解除させられるって滅多に無いって認識。
それなのに、痛くも痒くもないまま凧の糸がぷつんと切れた様に感覚が途切れた。
やだ…、ちょっと怖いやん…。
「…消されたのか?」
兄ちゃんが気づいてそっと声をかけてくれた。
私は兄ちゃんを見て、深く頷く。
「痛くも痒くもなく、いきなりスイッチをぷちって切られた様な感じ。」