• テキストサイズ

もう一度、を叶えるために。first

第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…




イタチの示す先に黒い目印が見つかり、一つ見つけると次の目印も簡単に見つかり、容易に目的地へと辿り着けた。

「よかったー。ちょっと駄目かと思ったんだよなー。」

ライドウさんが大袈裟なくらい胸を撫で下ろした。

「イタチのお陰だな。ありがとう。」

「…お役に立てて良かったです。」

アオバさんが律儀にお礼をするのを、イタチはちょっとむず痒そうに受けていた。

年功序列の意識が高い世界。
アオバさんの立場だったら、ふんぞり返っててもおかしくはない。
まあ、縦社会ってそんなもんだよね。
でも、アオバさんは違った。
ライドウさんもアンコさんもね。

他にもそういう人いっぱいいると思うんだ。
…うちはのみんなもなぁ。
一歩外出れば違ってくるのになぁ…。

「エニシ。」

呼ばれると同時に強めに頭を撫でられる。
見上げると、兄ちゃんが困った様に笑っていた。

「成る様にしかならないだろ?」

「そう、なんだけど、さ…。」

「あんまり深くは考えるな。機会はきっとくる。」

「うん…。」

前世では決まった道筋で、決定された”過去”だった。
だけど、今はまだ”現在”で、全ての事柄が未定だ。

「うん、そうだね。まだ大丈夫、だよね。」

まだ変えられるって…そう思いたい。
そうじゃなきゃ…。

「よし、入ってみようぜ。」

ライドウさんの掛け声に、私は気持ちを切り替えた。

/ 662ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp