第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「目印付けながらって具体的には?」
アンコさんの問いに、私は人のいない所に細長い槍を生えさせた。
「私はこれを等間隔で出そうかなと。」
明らかに人工物だから目立つと思うの。
「エニシはこれでいいとしても、他は?」
アンコさんが言うと、各々鞄を探り出す。
「紐しかないわ。」
「俺もそれしか持ってないな。」
この前と同じだな…、とライドウさんとアオバさんは肩を落とす。
備えが足りなかったのね。
兄ちゃんもこの事態は予測できなかった様で何も持っていなかったみたい。
すると、そこへイタチが手を挙げた。
「少し、試してみてもいいですか?」
そう言うと、イタチは印を組む。
すると、彼の周りに大量のカラスが現れた。
…これ前世で見たわ。
んで、カラス達は一斉に四方に散らばった。
「…今何したの?」
私が静かに聞くと、イタチは何かに意識を集中させながら口を開く。
「索敵の様なものだ…。」
集中力を切らしたくないのかも。
瞳には写輪眼が浮かんでいて、ここを見ておらず、鋭く耳をすましてる様に見える。
「…ありました。ここから西へ百メートルも行かない所に黒い紐が括られている木があります。」
その言葉にアンコさん達は息を呑む。