第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
ピンポーン、ピンポーン、ピンポンピンポンピンポン…
「うっさいわね!!!どこのどいつよ!!」
ダーン!!と近所迷惑になりそうなほどドアを乱暴に開けて寝起きのアンコさんが出てきた。
お隣さん可哀想に。
アパートだから音がダイレクトだろうよ。
「さて、アンコさん。今何時でしょうね?」
私は懐中時計を突き出してにっこり笑う。
「あらやだ。」
おほほほ、と言いながら、バン!とドアを閉めるとバッタン、ドッタンと大きな音を響かせて、ものの五分で出てきた。
その頭には、それはそれは見事な捩れた寝癖が…。
「お待たせ〜。」
意気揚々と歩き出したアンコさんを目で追う私達。
「…なあ、アレ言った方が良くないか?」
ライドウさんがヒソヒソと話しかけてきた。
だけど、寝坊する方が悪いと思うんだよね。
「私、しーらないっと。」
「おっ前…。悪い顔だよ。」
しっしっしっ…
いつ気づくかしら?
結局ね、集合場所に戻ってすぐに兄ちゃんが言っちゃったのよ。
で、後ろで笑ってるのがバレて、
「いったあぁ〜…。」
思いっ切り、ゴン!ってゲンコツ落とされました。
「私悪くないじゃん…。」
「乙女の寝癖を笑うなんて言語道断!!」
「「「そんなタマじゃないって言ってたくせに…。」」」
アオバさんライドウさんと仲良くハモりましたとさ。