第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
『とにかく!この子ならアレが解ける!』
『いや、根拠何にもないじゃん。』
私行く意味あるの?
『他に手もないの。だから行くったら行くの。まさか反故にしたりはしないわよねぇ?』
そう言って、至近距離で舌舐めずりするアンコさん。
赤い舌といい、動きといい、まるで蛇の様。
めっちゃ怖いやん…。
『ハイ…。』
気づけばそう返事をしていた。
『って事で、あんた達も来なさいね〜。』
と言って、アンコさんは兄ちゃん達を指差した。
もちろん、兄ちゃんとイタチは顔を見合わせ、微妙に嫌そうな(イタチは無表情に見えなくもない)顔でアンコさんを見る。
『もし違ってたらそれまでって事で。それに三人寄れば文殊の知恵って言葉もあるくらいだし?』
『意味違うよね…?』
思わず出た言葉はどうやらアンコさんの耳には入らなかったらしい。
彼女はご機嫌で酒を呷り始めた。
『まったくもって。』
『その通り。』
これまた仲良く相槌を打ったアオバさんとライドウさんは、投げやりに酒を呷った。
―
――
―――
というわけで、私たちは渋々集まる事に。
そして…。
待ち合わせの時間から十分後、やっとライドウさんとアオバさんが来た。
「いや〜、わりぃわりぃ。」
「すまんな…。」
二人ともバツが悪そうに私から視線を逸らす。
少しは自覚がおありの様で何よりだわ。
私は仁王立ちのまま、二人の前に歩み出る。
「…アンコさんは?」
「それが〜…。」
ライドウさんがアオバさんを見ると、彼は気まずそうにサングラスを直した。
「…インターフォン鳴らしたんだが出てこなくてな。先に来てると思ったんだが…。」
それを聞いて、私の怒りがピークになる。
そんな私を見て、二人がたじろいだ。
「…家はどこですか?」
「「案内します…。」」