第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
…事の起こりは昨日の夜。
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『じゃ、明日六時に里外にある南橋に集合ね。』
『え、待って?何の話?』
突然のアンコさんの言葉に戸惑いしかない私。
『あら〜?まさか聞くだけ聞いて、はいさよなら〜なんてことしないわよねぇ?』
うわー…。すっごい悪人面…。
『さよならも何も…。何をさせたいのかすら聞いてないんですけど…。』
任務の依頼票だって、もうちょい概要が載ってるよ?
げんなりしてると、隣からライドウさんが身を乗り出した。
『俺らさ、この間とある任務で一緒だったわけ。でさ、あやしい洞窟を見つけたんだよ。それがさ…』
要約すると以下の通り。
・中の構造は螺旋状になってて、フロアごとに仕掛けがあったこと。
・最後っぽい仕掛けだけはどうしても解けなくて開けられなかったこと。
・その最後の仕掛けは写輪眼で開くかもしれないこと。
…だそうだ。
『そもそも、何で写輪眼だと思ったんですか?』
『言っておくが、俺は全く思ってないぞ。』
私の問いにすかさずアオバさんが突っ込む。
『まぁ、俺も正直な所、半信半疑なんだよなぁ。』
…お兄さん達や。文面がおかしかないかい?
『だったら尚のこと何で写輪眼なんですか。』
脱力する私の言葉に、アオバさんとライドウさんが揃ってアンコさんを見た。
私も釣られて視線を追う。
『何でって言われてもねぇ…。強いて言うならあんたを思い出したから。』
と言って、ビシッと私を指差すアンコさん。
え…。何言ってるの、この人…。
『お前…。そんな思いつきだったのかよ?』
ライドウさんがひっくり返りそうなほど脱力した。
うん、分かります。
『やーねー。女の勘って言ってくれない?』
『女の勘だろうが何だろうが思いつきには変わらないだろうが。』
アオバさんは頭を抱えている。
うん、全くその通りにございまする。