第2章 これからどうしよう
「…今の…。」
立ち止まった私に気がついて、クシナさんが振り返った。
「あー…、分かっちゃった…?さすがうちはの子だってばね。」
クシナさんは気まず気に頬を掻いた。
そうか、今のが九尾のチャクラ…。
「…なんかあったの?」
私は再び歩き出して、そろりと聞いてみた。
あの感じからして、良くない事があったんだと思うけど。
私の問いにクシナさんは困った様に笑った。
「時々ね、暴れようとする時があるの。今も眈々と外に出る機会を窺ってるのよ。」
私はそれを聞いてぎょっとする。
それを見たクシナさんは慌て出した。
「あぁ、大丈夫だってばね。私が抑えてるから、絶対外には出て来れない。」
「そっか…。」
私はほっと胸を撫で下ろした。
と、同時にクシナさんが不憫に思った。
この人は、九尾との駆け引きを一人で続けているんだと。
「…辛く、ないの?」
聞いてから、馬鹿な事聞いたって思った。
辛いに決まってるじゃんね。
聞かなくても分かるでしょ。
俯いた私の頭に温かい手が乗せられた。
見上げると、優しそうに笑ったクシナさんと目が合った。
「大丈夫、辛くないってばね。今は…一人じゃないから。」
そう言って、彼女は前を見た。
視線を追うと、向こうから金髪の男の人が歩いてくるのが見えた。
四代目火影、波風ミナト。
ナルトのお父さんだ。