第2章 これからどうしよう
「おかえり。今日は随分早いのね。」
「ただいま。偶には家族サービスしなきゃね。」
ミナトさんはそう言って爽やかな笑みを見せた。
カッコいい人だな。
ナルトと似ても似つかない。いや、色はまんまだな。
けど、性格は真反対じゃないかな。
私が呆然と見上げていると、その視線に気付いたのかミナトさんが私を見た。
「やぁ。うちの奥さんを助けてくれてありがとう。」
言いながら、すっと私から買い物カバンを受け取った。
「君は確か…、シスイ君の妹のエニシちゃん、だったよね。」
私はどきりとして、目を見開いた。
何で名前知ってるんだろう。
「知ってるさ。里の人はみんなね。」
そう言ってミナトさんがウインクした。
わぁお。めっちゃキマってる。
独身時代はさぞモテたんだろうな、なんて思ってしまった。
「その人たらし、いい加減にやめてってばね。この子が惚れたらどうするんだってばね?」
その声にクシナさんの方を見ると、頬を膨らまして拗ねていた。
その様子にミナトさんが、焦った様な顔になる。
「ごめんって。そんなつもりないんだけどねぇ。」
…ミナトさんがタジタジだわ。
やっぱ、かかあ殿下な家庭になりそう。
「ふはっ。」
私は思わず吹き出した。
火影が形なし。
私の様子に二人も釣られた様に少し笑う。
「仲良いんだ。」
私はにっと笑う。
すると、二人は花咲く様に笑った。
「そうだね。とっても仲良いよ。」
ミナトさんが答えると、クシナさんが幸せそうに彼を見る。
いいカップルだなぁ。
ずっと見ていたくなる。
けど、これ以上は二人のお邪魔かな。
「私そろそろ帰ります。」
じゃあ、と言って手を振りながら踵を返した。
「また、話そうってばね!」
クシナさんの思わぬ誘いに嬉しくなる。
「うん!またね!」
私は笑顔で答えて、家路までの道のりを走り出した。