第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「「「はあ〜??」」」
アンコ、ライドウ、アオバは揃って素っ頓狂な声を上げた。
それはそうだろう。
公然とカカシを好きだと言い放ったのだから、勿論そう言った意味で”好き”なのだと思ったに違いない。
かくいうイタチもそう思っていたのだから。
「いやいやいや。考えてもみてくださいよ。顔良し、頭脳明晰、文武両道、身体能力抜群で武芸では右に出る者なしの里一番ですよ?」
「ちょっ、ちょっと物申していいか?」
エニシの褒め言葉の連続に、ライドウは待ったをかけた。
「顔良し?顔の殆どが布じゃないか?」
アオバの突っ込みに、ライドウは大きく頷く。
「え、顔面マスク野郎が好みなの?」
アンコの問いに、エニシはあからさまに嫌そうな顔を見せた。
「違いますよ。」
「じゃ、どっから顔良しがつくのよ?」
「それはマスクの下に…ごほんごほん。ま、それは置いといて。」
「置けるか。」
「とにかく私が言いたいのはですね、何もかもが完璧な人の隣に自分が立つと霞んじゃうって事が言いたいわけですよ。」
「まーねー。分からなくはないけど。」
「あれか?だから歳と共に女が寄り付かなくなったのか?」
ライドウが首を傾げつつ言うと、エニシは少し身を乗り出した。
「え、カカシ先生って恋人とか作ったことないんですか?」
「いや、あるにはあるんだけど…。大体が女の方から始まって女から別れを切り出されるってパターンなんだよな。」
「そうそう。いっつも三ヶ月持つか持たないか。で、決まって理由が”私をちっとも見てくれない”なんだよね。」
「おぉう、鉄壁ですな。」
「そ。来るもの拒まず去るもの追わず。だからカカシの側にほんのちょっといるだけで、それ以上にちっとも発展しないんだよね。」
「え、じゃまさかカカシ先生ってドーテーなんですか?」
エニシの爆弾発言に、アンコ以外の全員が水を吹きそうになる。
勿論、アンコは大爆笑。