第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「じゃなくて、そこは想いを汲みましょ?年に一度の乙女の日ですよ?」
「あたし、乙女ってタマじゃないし。」
「「それは知ってる。」」
ライドウとアオバは力強く頷く。
「やかましい!」
「ま、いいや。じゃカカシさんを射止めた人って今までいなかったんですか?」
エニシの問いに、ライドウが記憶を手繰る。
「いたにはいたな。」
「え、あれは射止めたって言わないんじゃないか?」
アオバは否定的な様だ。
アンコはそれを聞いて、誰のことなのか分かった様だった。
「リンの事?カカシに聞いた時は違うって言ってたわよ?」
「いやいや〜。照れてるだけかもしれないだろ?」
「いや、全くそんな素振りはなかったわ。」
「気は許してる感じだったぞ。」
アオバも頷きつつ、付け足した。
「同じ班になってからも、それは変わらなかったんじゃない?」
「オビトに遠慮してたんじゃないか?」
アオバが答えるとライドウも頷いた。
「あからさまだったしな。」
「オビトって誰ですか?」
エニシが話に割って入る。
「カカシと同じ下忍の班だった子よ。戦死しちゃったんだけどね。あんたと同じうちはの子だったわよ。」
「え…?」
それって…、と呟いて、エニシは衝撃を受けたような顔つきになり固まってしまう。
「…どうしたんだ?」
イタチが尋ねると、
「へ!?いや、ううん。何でもない。」
あからさまに作り笑いで誤魔化した。
イタチはその反応が気にはなったが、人目を気にしてそれ以上は聞き返さなかった。
「それで…、そのリンって人とはどうなったんですか?」
エニシが尋ねると、三人は顔を少し見合わせる。