第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「お待たせしました〜。こちらがカルビで、こちらがタン塩、それと野菜の盛り合わせです。それから…」
どんどんどん、と皿が次々と置かれていく。
「それとこちらがおかかと梅と昆布のおにぎりです。」
お、待ってました!
ちなみに私はダンゼン梅派よ。
兄ちゃんは昆布を頼んだらしい。
さっそく!
「いっただっきまーす!」
うっま〜…!
ふわふわのもちもちで甘酸っぱい。
海苔がまたいい仕事してますねぇ。
「なるほど、確かに美味いな。」
「でしょ〜。」
イタチの呟きに、私はほっとする。
よかった、食べられる物があって。
ご飯処でご飯食べられないなんてつまんないもんね。
「これは中々…。」
兄ちゃんは気に入ると、黙々と食べる癖がある。
分かりやすいよね〜。
黙々と食べる二人を見ながら、私はおにぎり片手にお肉を頬張る。
はぁ〜…、しあわせ〜…。
暫し無言で食べていると、
『日々は青春だぞ!カカシよ!!』
と、聞き覚えのあるデカい声が聞こえてきた。
『ちょっと、ここ店の中だよ?静かにしなさいよ。』
と、これまた聞き覚えがありすぎる声が聞こえてきた。
これは?まさかの〜!?
「どうしたんだ、突然停止して。」
兄ちゃんが怪訝そうな顔で見てくる。
その隣で、イタチがくすりと笑った。
「時間が止まったかの様な止まり方だな。」
あ。
口開きっぱなしで、箸で摘んだ肉を口元に持ってく所で止まってた。
そりゃそういう反応になるよね、ははっ。
「いや、ちょっと気になる声が…。」
そろりと、声の方を見やる。
この声って絶対、ゲジ眉先生にカカシ先生だよね。
何を隠そう、私はカカシ先生ファンだ。
ナルトはどうしたって?
それとは別腹よ。
っていうか、見たい。聞きたい。
どんな話してるか気になる〜!
「…本当にどうした。そわそわして。」
「いや〜、その〜…。」
彼等は今、プライベートタイム。
それを覗くのは御法度ってもんだけど…。
う〜ん…!
我慢できない!
「ちょっと行ってくるね。すぐ戻るから!」
ほんとにちょっと。
ちょっとだけ。
そう思って席を立って声の方に行こうとした瞬間、がしっ!と肩を掴まれた。