第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
「キミ、どこ行くの?」
え!?
どういう事!?
声に驚いて振り向くと、そこにはいつの間にかカカシ先生が立っていた。
「なん…!どうして…!」
何でここにいるの!?
じゃ、向こうにいるのは誰!?
驚きすぎて口をぱくぱくさせながら二の句が継げずにいると、ボン!という音と共に術が解ける。
「ふふん、驚いた?」
「え゛…?」
アンコさん?
「何でここに…。ってか何でカカシ先生に…。」
「何でって、しきりにカカシの方を気にしてりゃ誰だって分かるわよ。」
あんた、意外に間抜けね!と言ってからからと笑う。
「ほっといてくださいよ。そういうアンコさんはここで何してるんですか。」
「あんたが見えたから一緒にご飯食べようと思って。丁度誘いたいとこもあるしさ。」
「誘いたいとこ?」
何それ?
いやいや、それより今は向こうが優先。
私はそろっと回れ右しようとする。
が、そうは問屋が卸さなかった。
「あんた、こっちを優先しなさいよ。私はあんたの先輩よ?」
「いや〜…、私、アンコさんの後輩じゃないし〜…。」
言いながらがっしり掴まれたままの手を剥がそうと頑張るも全然剥がれてくれない。
「あんたね〜…!」
寧ろさっきより痛い気が…。
「まぁまぁ、落ち着けって、アンコ。」
宥める声に、そっちの方を向くと、見覚えがある様な無い様な男が二人立っている。
一人は茶色髪の短髪で左頬に傷がある人。
もう一人は黒髪の短髪でサングラスかけた人。
…余計なお世話だけど、夜にサングラスってどうなの?
「っていうか、どちら様…?」
アンコさんの知り合いっぽいってことしか分からない。
でも私が聞いたら、茶髪の人が少し目を輝かせた。
「俺はライドウ。こっちがアオバだ。」
紹介された黒髪の人は無表情で少し会釈する。
いや、ムスッとしてるって言った方が正しい?