第12章 ここが人生の分岐点だったのかも…
遡る事一時間前…。
取り敢えず、うだうだしててもしょうがないという話になり、一度村へ帰る事に…。
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『…ねぇ、まだ結構みんな外出てるよ?』
今日はいつもよりも人が行き交っている。
『そうだな…。まだ店も賑わってるしな。』
兄ちゃんは冷静に返すも、若干渋い顔になっている。
『これはまだまだ入れそうにもないな。』
『だね。』
イタチの呟きに、私が相槌を打つ。
現在、私達は揃って門の影に隠れて中を伺っている。
よくよく考えたら、この構図ってちょっと面白いかも。
だって隠れる必要のない二人が私と一緒にこそっと覗いてるんだもん。
後ろから見たらたぶん笑える。
『…軽く修行でもするか?』
『修行…?』
いきなり何を言い出すんだい、兄ちゃんや。
『そうだな、その方が有意義な時間になりそうだ。』
『え、今から…?』
朝ならともかく夕方よ?
『だから、軽くだよ。』
『体力を消耗しない程度にやれば問題ないだろう。』
兄ちゃんとイタチが声を揃える。
『それに、お前も夜の戦闘にも慣れておかないと。暗部の活動時間は大概夜だぞ。』
いやー…、そりゃそうかもしれないけど…。
『まぁ、いいから暇つぶしにやるぞ。』
『マジか…。』
ま、軽くならいっか。
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こうして兄ちゃんの一声で始まった”軽い”修行。
軽いどころか、過酷な夜の修行となってしまった。