第11章 うちはの会合に初参加です
「じゃあな!」
「ナルト、ほんとにいいの?送るよ?」
「いいってばよ!そんな心配すんなって。」
「でもさ…。」
「オレってば一人でも帰れるってばよ。」
また振り出しに戻る。
さっきから、一人で帰れるの一点張りで。
遠慮してるのか強がってるのか…。
「はぁ…。しょうがないなぁ、寄り道しないで真っ直ぐ帰るんだよ?」
「おう!またな!」
手を振りながら駆けていくナルトを見送る私達。
「また会おうねー!」
私がその後ろ姿に声をかけると、ナルトは少しだけ振り向いて大きく手を振った。
「行くぞ。」
「うん…。」
隣から兄ちゃんに声をかけられて、私はナルトから目を離さないままぼんやりと答えた。
「心配か?」
イタチに聞かれて、私は素直に頷く。
だって、ナルトだよ?
クシナさんの忘れ形見よ?
心配しない方が可笑しいってなもんでしょ。
「随分と懐いたもんだな。」
「だってナルトだもん。」
元々人懐っこい子なんだよ、あの子は。
「いや、お前があの子にって意味だよ。」
「私かい。」
私のツッコミに兄ちゃんはくすりと笑う。
「ほら、俺達も帰るぞ。」
そう言われて、漸く遠ざかる後ろ姿から目を離した。
だが、帰るぞと言われても私は帰れない。
だってまだ明るいんだもん。
「ううん、私はまだそこら辺ぶらついてから帰るよ。」
また睨まれたくないし。
苦笑しながら答えたら、兄ちゃんは渋面を作った。
「何かあったのか?」
「え゛?何が?」
いきなり鋭いわ。
「何かあったんだろ。」
わぉ。確信的だね。
なんて答えようかしら…。
「言っとくけど、俺に嘘は通用しないからな。」
バレてるし!
「ついでに全部顔に出てるぞ。」
「デジャブ!」
「訳分からん事言ってないで、いいから吐け。」
とほほ…。
「…いやね、実は…」
結局さっきのうちはの村での事を言っちまいましたとさ。