第11章 うちはの会合に初参加です
「あら、ほんとにキレなかったわ、この子。」
「アンコ。無神経よ。」
「だって意外じゃない。他のうちははブチギレて暴れ出したわよ?」
他にも話聞いた人がいたんだ。
紅さんはアンコさんの言葉に渋い顔をする。
「あー…、あれね。警邏隊が出る大騒ぎだったわね。」
「そんな事があったんですか。」
知らなかったわ。
「それに比べたらエニシは冷静よね。」
悔しいとかないのか、って言外に聞かれた気がして、答えに困って片手でがしがしっと頭を掻いた。
「うーん…、悔しいと言えば悔しいですよ?けど、くやしーって暴れたところで何の得にもならないっていうか。ムダに悪い噂を増やすだけですよね?」
寧ろ、あんだけ苦労して呼びかけやってて効果が僅かっていう方が悔しいかな、と思う。
「意外に冷めてるな、お前さん。」
アスマさんは不思議そうに私を見るけど、よく分からない。
そんなもんじゃない?って思うけど。
「そうですか?」
「褒めてるのよ、大人っぽいって。」
それを見た紅さんが、くすくすと笑いながら言うと、アスマさんは苦笑する。
「そうだな、感覚は大人だと思うぞ?」
「まーた、取って付けたような事言っちゃって。」
「お前な…。」
アンコさんの野次にアスマさんが渋い顔をするのがちょっと笑える。
私達はそのまま他愛のない話に花を咲かせた。
息抜きもよく出来たし。
意外にいい時間になったなぁ。