第11章 うちはの会合に初参加です
つらつらと考えながら、端から端まで全体を治していく。
「…よし。大分治せたと思うけど、気分はどう?」
「うん。なんだか体が軽くなった気がする。」
「よかった。これで大方治ったからね。」
マヤちゃんににっこり笑って返すと、側にいたスグルさんに向き直る。
「あと一回治療に来れば薬だけでも何とかなると思います。」
それを聞いたスグルさんは、ほっと息をついた。
「本当に君が来てくれて良かった。恩に着る。」
そう言って頭を深々と下げる。
「いやいや、そんな大したことないですよ。マヤちゃんが深刻な状況じゃなくて良かったです。そしたら素人の私には手に負えなかったですから。」
そしたら交渉どころじゃなかったしね。
それに…、
「マヤちゃんを治せて良かったです。」
救えて良かったと思う。
やってきた事は正しかったんだって、確信めいたものが掴めたのが嬉しい。
だってさ…。
今までの私の実績ってさ、知識は独学で実地は病院での見習いで。
これでいいのかなって不安は常に奥底に沈んでたわけで。
でもマヤちゃんの治療に私が担当医としてついた事で、全てが自分の判断でやっていかなければならなくなって。
その為に様々な知識や資料を引っ張り出してきた。
色々な人の意見だって聞いて回った。
その度に自分の診断に自信がついたし、こうして元気になってくれて間違いじゃなかったんだって、更に自信に繋がった。
「…私の初めての患者さんは、マヤちゃんだね。」
私が笑いかけると、マヤちゃんもにっこりと笑った。
「うん。ありがとう、エニシさん。」
本当に良かった。