第11章 うちはの会合に初参加です
よし!調子がいい内に治療してみますか。
「じゃあ、ちょっと診察してみよう。また触れるけどいい?」
聞くと、こくんと頷いたので、近くまで行って患部にチャクラを流して確かめる。
「…うん、薬が効いてるみたい。末端の肺胞がこの前より綺麗になってるね。」
全体をスキャンするように診てみても概ね良好だ。
「じゃ、このまま治していくね。辛くなったら言ってね。」
頷いたマヤちゃんを確認して治療していく。
なんていうか、前世の視点から考えると、チャクラで細胞が治っていくって不思議な感じ。
前世の理論だと、細胞は”治っていくもの”だ。それを手助けするのが手術だったり薬だったりする。
けれど、この世界の理論…主に医療忍術は、細胞は”治すもの”だ。チャクラを使って細胞の再生を促してDNAの通りに再現する。
薬はあくまでも治癒できない時の補助なのだ。
それにしても…。
長期戦を覚悟していたマヤちゃんの肺は、もう治す所もそう多くない。
薬がよく効いている証拠だ。
これって今まで診せてきた奴らがよっぽどヤブ医者だったって事じゃない?
それって人としてどうなのよ。
出るとこ出たら慰謝料とか貰えるのかな。
この世界に法律とかってあるの?
あ、ないかも。
義務もなければ責務もない。
それって言い換えれば権利が無いって事だ。
はぁ…。
慰謝料は諦めるしかなさそう。