第2章 これからどうしよう
よし、今度こそ!
私は的をよくよく狙ってクナイを放った。
1本、2本、3本…。
…全て場外か外れ。
「だっせぇ!意気込んだくせに外れてやんの!」
またトウキだ。
そして、トウキを取り巻く男共もどっと笑う。
私は肩を落とすしかなかった。
「忍組手、始め!」
右蹴り、左拳、回し蹴り…。
トウキの的確な一手一手は、殆ど私の体に命中する。
「勝負あり!トウキの勝ち!」
トウキの仲間から歓声が上がる。
組手も駄目なんて…。
私の成績は目も当てられないくらい低かった。
はぁ………。
これ、うちはをどうにかするなんて、夢のまた夢だわ。
私は家への帰り道を、とぼとぼと歩く。
「おっさき〜!」
頭上から声がして見上げると、トウキが屋根から屋根へ飛び移りながら走って行くところだった。
あいつ、木渡り系も出来るのか…。
私は呆然と立ち尽くした。
今の私には出来ない事が多すぎる。
何だかまっすぐ帰る気にはなれなかった。
私は踵を返して、街の方へと歩き始めた。