第11章 うちはの会合に初参加です
ガキン!ガキン!と音を響かせながら、数手の攻撃を辛うじて受け切る。
その間にも、徐々に後退を余儀なくする。
「どうした?防戦一方じゃ勝ち筋はないぞ。」
「分かってる…!」
分かっちゃいるが動けないのが現状。
どうしていいのか、さっぱり読めない。
と、思っていたら、兄ちゃんは突然一歩飛んで後退した。
が、唯の後退じゃなかった。
「火遁、豪火球の術!」
それは見事な、どデカい火の玉が飛んできた。
こんなん避け切れる奴がいるか!
「土遁!土流壁!」
間一髪免れた。
けど、休んでる暇はない。
「水遁、霧隠れの術。」
水遁で唯一上手に出来る術だ。
私は写輪眼に切り替えると、霧に紛れて土壁から飛び出した。
辺りを見回すが、チャクラの気配がない。
…隠れられたか。
私は素早く手前の木に飛び移って走り出す。
上から見れば見えるかもしれない。
いた。
チャクラの塊。
人の気配だ。
私は影分身を出して、迷う事なくその塊に突っ込ませた。
うん、接触できたらしい。
ハズレだった場合を想定して、念の為周囲も警戒する。
すると、そのすぐ近くに薄らチャクラの影を見つけた。
もしかして…?
ううん、迷っている暇はない。
今度は本体である私が木から木へと飛び移り影の真上から急降下する。
霧を切って近づいていくと、人影がはっきりしてくる。
やっぱり兄ちゃんだった。
私はそのままの勢いでクナイを振り下ろす。