第11章 うちはの会合に初参加です
だが、謝るつもりはない。
こんなの謝れない。
クーデターなんて承服できない。
私は父さんからの視線を遮る様に俯いた。
「ごめん…、父さん。謝れない。」
こればっかりは無理だ。
クーデターの道を選べば、待っているのは一族全員の死。
ここが最後の分岐点だ。
私は顔を上げて、イタチの背中ごしにイナビさんを見た。
「お願いします。どうか、うちはの里を創ることを考えてみてください。クーデターをする前に、どうか…!」
私は懸命に頭を下げた。
「貴様…!」
けれど、私の思いとは裏腹にイナビさんの怒りは益々色濃くなるばかり。
「お前の様な者がいるから、うちはは弱く駄目になっていくんだ!!お前の様な弱者は要らん!!ここから出て行け!!」
弱者って…。
何を以って弱者って言うんだろう。
私が更に言い募ろうと、頭を上げようとした瞬間、誰かにそれを押さえられて動けなかった。
「すみません。この子にはよく言い聞かせますから、矛を収めてくれませんか?」
声からして兄ちゃんだ…。
どうして?っていう疑問と絶望にも似た悲しみが込み上げた。
「シスイ!そいつを今すぐ摘み出せ!二度とここへは連れてくるな!!」
「…分かりました。」
兄ちゃんはそう言って、軽々と私を持ち上げて外へと出ていった。