第11章 うちはの会合に初参加です
「彼らの根底にあるのは、我らへの差別だ。」
そういう人も確かにいる。
いるけど、全員じゃない。
話せば分かってくれる人だって沢山いる。
「我らはずっと耐えてきた。が、それも既に限界だ。」
待って。
まだ早まらないで。
私は、早鐘を打つ心臓の辺りをぎゅっと握る。
「イタチの暗部入りを機に、我らは里へのクーデターを実行に移す。」
…う、そ…。
おぉ…!という歓声の声が、あちらこちらから上がった。
その声の中には戸惑いなんて微塵もなかった。
どうして?
どうして人を殺そうと思えるの?
震えが止まらない。
とうとうこの日が来てしまった、という想いと、なんで何も変わらないのか、というジレンマが交差する。
「イタチ…。お前を暗部に入れる真の目的は、里の内情をつぶさに調べ上げ、我らに報告してもらう為だ。」
この言葉を聞いた瞬間、私の頭にかーっと血が上った。
それが父親の言葉なの!?って叫びたかった。
我が子にスパイをやらせようなんて、正気じゃない。
悲しい。
苦しい。
「お前がもたらす情報が、一族の命運を握っている。」
そんなイタチ任せの情報戦に命運を賭けようなんて馬鹿げてる。
「待って…。待って!」
気づいたら、そう声を上げていた。