第10章 下忍スタート
奈良家を出た私達は、真っ直ぐあうんの門へと向かう。
「次はスグルさん達だけでも大丈夫ですよね?」
私が問いかけると、スグルさんは少し笑う。
「そうだな。明後日は俺達だけで大丈夫だ。」
それを聞いて、私は一つ頷いた。
「これだけしてやったんだ。裏切りは許さないからな。」
「裏切ってみろ。里の勢力で木端微塵だからな。」
ユウとトウキが噛み付く様に言うと、スグルさん達は、分かってる、と苦笑する。
どこまでも気に入らないのね、君達。
「明々後日は私も時間あるので、一度マヤちゃんの様子を見に行きます。その時にまた薬持って行きますから。」
私が言うと、スグルさんは微笑んで軽く頭を下げた。
「何から何までありがとう。」
良心が咎めるなぁ…。
思わず苦笑した。
「…私にも私なりの考えがあっての事なんで、そんなに気にしないでください。」
そう言うと、みんなが揃って驚いた。
「お前、まだ裏があるのか!?」
「今度は何企んでやがる!?」
やべっ、失言だったわ。
「な、何の事かなー。分からないなー。」
私が明後日を向くと、トウキとユウは胸ぐらを掴む勢いで詰め寄ってきた。
「「お〜ま〜えぇ〜!!」」
…凄い形相だ。
「まだ他の意図があったのか。いやはや、脱帽だな。」
「今だけでかなり驚いてるっていうのに。あなたの部下は凄いな。」
「いやいや、俺も今正に驚いている最中なので。」
スグルさん、エイリさん、先生はのほほんと会話している。
その間にも、トウキとユウは私の肩を両方から掴んで揺さぶっている。
あの、ちょっと、助けてくれません?
「吐け!全部吐きやがれ!」
「俺達には隠し事無しだぞ!」
ぐらぐらぐら…
だから、揺らさないでぇ〜…!