第10章 下忍スタート
「お前な、現物を見ないまま値段が付けられるわけがねぇだろうが。」
「そりゃまぁ…そうですが。」
もうちょっと具体的なものが決まると思ってた。
「取引きと言うからには商売なんだ。確実な情報を元に決めなきゃならねぇ。空論の口約束なんて危なくて出来ねぇよ。」
それもそうか…。
ここは日本とは違う。
パンフもネットもなければ、品質保証もない。
全て自分の目で確かめなきゃならないんだ。
「了解です。」
私は、どうぞどうぞ、と話を進めるよう促した。
それを見て、スグルさんが口を開いた。
「こちらも承知している。まずは、物を見てもらってから値を付けてくれて構わない。」
「なら、四日後はどうだ?」
シカクさんの提案に、スグルさんはエイリさんを見て、二人は頷き合う。
そして、スグルさんはシカクさんに向き直った。
「問題ない。」
「じゃ、今日と同じ時間に来てくれ。」
「承知した。」
うん、これでこっちも纏まった。
やれやれ、これで漸く一息つける。