第10章 下忍スタート
「よぉ、来たか。」
ごめんください、と言う前に、門の所で出迎えてくれたのはシカクさんだった。
「…あれ?今日来るってよく分かりましたね。」
私は資料を見せて、会談の時間を教えただけだ。
連れてくると約束していたわけじゃない。
「分かるさ。お前は短気なんだ。会談がスムーズに終われば連れてくると思ったよ。」
大当たり…。
「相変わらず凄いっすね。エスパーですか。」
会談が長引く可能性もあったんだけど…。
「会談が長引く事はないだろう。お前の話は悪い話じゃないし、ヒルゼン様ははっきりしたお方だ。駄目なものは駄目だとはっきり突っぱねる。だから会談が長引く可能性はまず低い。」
すげぇー。予測がどんぴしゃり。
それはいいんだけど…。
「私の顔から読み取るの止めません?」
何で毎回毎回考えてる事が筒抜けなんでしょう?
「そう思うんなら、ちったぁ、表情を消す術を覚えろよ。」
結局そこに辿り着くのね…。
「はーい…。」
ちぇっ。