第10章 下忍スタート
火影屋敷から出た私達は、揃って大きく息をついた。
「…ったく、お前にはほんと冷や冷やさせられるよな。」
「まったくだ。火影様達相手によくあそこまで言えるな。」
ユウとトウキは私をジト目で見ながら言う。
「だってさ、馬鹿にされっぱなしは腹立つじゃん?」
私は口を尖らせる。
野良犬を追い払うかの様な態度されれば、誰だってカチンってくると思うの。
「だからって言えないんだよ。普通は。」
「まぁ、確かに。俺もちょっと冷や汗かいたな。」
トウキの言葉に先生までもが頷く。
私はそんなみんなを見て口を尖らせた。
「そんな大袈裟な事してないんだけど。」
何だよ、みんなしてさ。
「お前さ、危機感無さすぎるよ。」
「いつかあっさり殺されるぞ。」
トウキとユウは疲れた様にため息をつき、スグルさん達は苦笑する。
心外だなぁ。
「だが、その無茶のお陰で俺達は飢えずに済んだ。」
「マヤの病も治して貰えるし、君がいてくれて良かったよ。」
スグルさんとエイリさんは揃って私の肩を叩く。
「無茶じゃないってば。」
私が答えると、
「「無茶だよ。」」
トウキとユウには突っ込まれ、
「短気は損気だよ。」
先生からは諭されてしまった。
私はがっくりと肩を落とした。