第10章 下忍スタート
私は側近さんに向き直った。
「なので、作ってもらう方が断然お得ですよ。」
「そうか…。聞いているだけでも手間に思ってしまうな。」
「価格設定は要相談ではありますが、一瓶50ccを50両とかで売ってもらって、纏めて注文してもらった場合は何割か割引で売ってもらう、っていう案もありますし。」
そう言うと、火影様と側近さんが、うーん、と唸った。
それもそのはず。
高めに設定したからね。
「50両か…。」
「少し高くはないか?」
「まぁ、そこは互いに相談するといいますか…。まだ草案の段階なので。とにかく、まずは許可をください。」
私が言うと、火影様と側近とダンゾウの部下は互いに見合った。
そして、アイコンタクトの様なやり取りがあった後、火影様がスグルさんを見る。
「良いじゃろう。」
火影様が言うと、スグルさんとエイリさんは顔を綻ばせて互いに見合った。
「取引先はシカクじゃな?」
「はい。提案は既にしてありますし、商談をしてもいいとの返事を貰っています。」
「良かろう。依頼は回す事は出来ぬが、痺れ薬としてムナを卸す事を許可する。そなた達もそれでいいかな。」
火影様はスグルさんを見た。
「はい!ありがとうございます!」
スグルさんは嬉しそうに返した。
うんうん。上手く纏まったね。
めでたし、めでたし。
「して、娘さんの治療だがの。」
火影様は私を見る。
「エニシ一人で大丈夫なのか?」
「はい。長期間にはなりますが、私が出来なくはないです。ただ、木の葉病院には相談させてもらいたいし、シカクさんにも相談に乗ってもらいたいです。」
私は隠さずに許可を求めた。
すると、火影様は何故か少し顔を綻ばせて頷く。
「素直な子じゃの。良いだろう。木の葉病院にはわしからも通達を出しておこう。」
よし、足固めはバッチリだ。
これで堂々相談に行けるぜ。
「ありがとうございます。」